つまり、平均した顔がルックスがよいと、されます。
ポーズとは(pose)姿態=からだつき・写真・肖像画などのための姿勢という意味です。
本来、人間が何かをしているところがポーズになったわけですから「写真撮影のためのポーズがある」と考えることは不自然です。モデルに求められるポーズとは「広告の種類に合わせて、いかにもそれを自然に身につけていたり、使っている雰囲気をつくる動作」と考えます。ファッション誌の服の広告で言えば、見ている人が「自分もそれを着ると、よりスタイルがよく見え、こんな魅力的な人に見えるだろう」と感じさせることです。
広告写真は、アートディレクター、カメラマン、スタイリスト、ヘア&メイクさんなど各パートのプロフェッショナルの協力で完成されます。モデルはその一員としてチームのクリエイティビティをあげる役割もあります。
発音のポーズ(pause=休止)と間違えないように。
広告によっては、写真で伝えることが、はっきりとした感情ではないものがあります。こういった場合のポーズは何かを「する」のではなく、写真になった結果として何かを「伝えていた」ということになります。
つまり、モデルは写真に撮られていることを感じさせないことが大切です。
服の広告撮影の基本は商品をいかにきれいに見せるかを工夫してポ-ズをとりますが、コンセプトによっては「呆然とそこにいる」といったような雰囲気のほうが商品がめだつことがよくあります。
実際の撮影現場に立ち会わないと、ポーズを変えてゆくタイミングは、なかなか実感できないものです。基本的な間隔は、だいたい2〜3秒ごとと考え、リズムをつかむようにします。撮影条件によって変わりますが、スタジオで撮影するときにストロボが充電される時間を想定しているからです。
大切なことは、カメラマンからの指示にたよるのでなく、モデルが自分からポーズを変えてゆくことです。
ポーズをしている間は、息を止めません。息をとめると表情が硬くなります。自分でも意識せずに息を止めている場合がありますから注意しましょう。
写真撮影に慣れないころは、最初に力が入るのは、目よりも口元です。できあがった写真の口元が硬いときは、意識しないうちに呼吸も止めている場合があります。
ポーズが固まるとは、同じポーズから動けなくなることです。固まる理由は次のようなことが考えられます。
動きが止まってしまったときは今のポーズをいったん崩して、もう一度やり直します。無理に連続しようとすると不自然になります。
雰囲気に集中できずに自意識が勝ってしまうときに起こります。とにかく動きましょう。今回の、できあがりを見てから、良いところ、悪いところを考え次に活かせば良いのです。
そのポーズがよくないのかもしれません。違う動きをしてみましょう。
同じポーズでも微妙に表情が違うだけで、写真の印象は変わります。
モデルの立場からいう写真撮影でのバリエーションを増やすとは、カメラレンズに対して「目線・ちょっとした仕草・顔の向き・腕の位置」などをにコントロールして、違ったニュアンスだせる手段をたくさん持つことです。
バリエーションをふやすために、ひっきりなしに違うポーズをとる必要はありません。得意なポーズがあったら、そのまま少し左を見る、少し右を見るといった感じでずらしてゆきます。これで、ポーズは二つになります。
大切なことは意識的に自分の体をコントロールできているかです。撮影するたびに行き当たりばったりというのはダメです。
一般的に写真のポーズというと「姿勢を決めたら動かないこと」と考えられます。
これは、スナップ写真の「はい、ポーズ」といってシャッターが切られるまで固まっている、といったイメージかもしれません。
しかしモデルの仕事のポージングは、意識としては動きつづけています。「とまる前の一瞬」や「とまったあとの次の動作への動き出し」のタイミングが、生き生きと写るコツです。
ポーズのコツは、「決めない・休まない・止めない」です。
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中井信之 (なかいのぶゆき)
ポージングディレクター・
俳優・モデル・劇作家・
演出・イメージコンサルタント
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国際イメージコンサルタント協会AICI/青山オフィス/日本ポージング協会
ワタナベエンターテイメントカレッジ/大妻マネジメントアカデミー(OMA)/渋谷ファッション&アート専門学校/
BLEA 専門学部など
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