モデルは視覚でキャラクターを判断されるので、言葉に置き換えて自分のことを分析することを、おろそかにしがちです。
大切なことはキャラクターとはどんなものがあるのか
をまず認識することです。
また、自分のキャラクターに対する勝手な思い込みは危険であり、その先入観はなかなか取ることができません。この場合は信頼できる人に自分はどう見えているのかを聞くべきです。
自分のキャラクターなど意識したことがないという人は、普段自分が選んで着ている服の種類で考えて下さい。それが「(仕事として受け入れられるかは別として)自分では、自分をこう見せたい」と思っているキャラクターです。
モデルはまず自分のメインとなるキャラクターを掴まなくてはなりませんが、魅力ある人物は多面的であり、内的矛盾をもっていると言えます。それがメインに対するサブキャラクター(反対キャラクター)部分です。
表情の動きをアップにすることが得意な映像ドラマなどの演技ではキャラクターを重層的に出すことができますが、写真一枚でそういったイメージを伝えることはなかなかできません。しかし、何か気になる人物の表情というのは、そういった微妙なニュアンスを漂わせているものに多いのです。
魅力あるキャラクターは一人の中に、相反する性格の要素があるとしましたが、実はこれは広告写真の中では「ある設定の中で相反する要素を入れて不思議な雰囲気を出す」という方法です。
服のコーディネートで言えば、ミスマッチであり、演出で言えば、たとえば「ドレッシーな服を着崩している」といった雰囲気づくりをすることです。
モデルが自分の宣材用写真でキャラクターを増やして行くには、一番、簡単な方法は、自分に対する先入観を捨てて様々なキャラクターの写真を撮っておくことです。そしてオーディションでは、趣旨にそったものを見せるために自分のポートフォリオの中で順番を組み換えたりします。
衣装、メイクアップとの兼ね合いが大事ですが、キャラクーの違いを出すにはシンプルなものでは「優しく笑ったもの・厳しい表情・澄ました表情」といったものを入れて雰囲気が単調にならないようにします。
タレントを使ったCMとモデルを使ったCMは別物と考えます。
タレントを使ったものは、「みなさん御存知の○○が……」という前提があります。モデルよりもタレントは(個人的な好き嫌いは別にして)身近な存在として出ているわけです。ですから、タレントが(実生活もそのままのキャラクターとして)広告のイメージに使われれば「○○さんも使っている△△」となります。意外性で出演していると「○○さんも、ほんとうは△△を使っている」となります。
若年の男性はナイーブさとバイオレンス(暴力性)、女性は、生意気さとワイルド(野生味)といった魅力があります。
しかしモデルは年齢と共に、自分の精神面での成長を認識しないと、若い時分は、そのキャラクターだけで通用したものが、歳を重ねた自分につりあわなくなります。(年齢を超越したキャラクターというのもありますが)
年齢を重ねれば
等の洗練されたイメージが必要となります。
つまり年齢によって自然に雰囲気をかえなければなりません。
モデルの仕事でいう「自分の年齢」とは実際の年齢でもマインドエイジでもなく「写真うつりが何歳に見えるか」ということです。
10代でも20代に見える人もいますし、その逆もあります。自分がいくつに見えるか、その年齢にあった自然な表情をつくるよう心がけます。
以下は年齢に則してどんな雰囲気が求めえられるかをあげてみました。
少女 |
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若年 |
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中年 |
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若年 |
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青年 |
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中年 |
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中井信之 (なかいのぶゆき)
ポージングディレクター・
俳優・モデル・劇作家・
演出・イメージコンサルタント
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国際イメージコンサルタント協会AICI/青山オフィス/日本ポージング協会
ワタナベエンターテイメントカレッジ/大妻マネジメントアカデミー(OMA)/渋谷ファッション&アート専門学校/
BLEA 専門学部など
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