私たちは、スナップ写真でカメラを向けられると何となく習慣的に笑顔をつくります。あの、スタンプを押すように、一番、自分も見慣れている笑顔です。しかしモデルや俳優が仕事で要求される笑顔は一種類ではありません。
様々な設定にあった笑顔をつくる訓練は、適切な感情を使って引きだされるものです。得意な笑顔がワンパターン作れるようになったら、そこから、もう少し大きく笑ってみる、こんどは、逆にもう少し小さく笑ってみる、といった感じで笑いの幅をつける練習をします。
どんな新鮮な思いつきから生まれた笑顔も、繰り返せば「型」となってしまいます。笑顔に限らず、いつも完璧な思い通りの表情を引き出す処方箋などない、と思って取りかかったほうが良いと思います。
女性の場合はオーディション(事務所の募集やコンテストなど)に出す写真は笑顔が基本です。
その理由は笑顔というのは、その「女性が他人(社会)に対して自分が魅力的に見えることを望んでおり」そのために協力的である、ということを意味するからです。
平たく言えば愛嬌がある、ということです。
すでに仕事をたくさんしているモデルは逆にコンポジットに笑っていない写真も入れます。本人のイメージをいつも新鮮に感じてもうらためです。
広告の仕事で一番多く使われるのは爽やかな笑顔です。
モデルは一種、職業病のように笑顔をつくることになります。ですから、愛想笑いをするのが癖になって「爽やかさの押し売り」をしないように注意しましょう。
人前にでる仕事は「人前に出ていない日常の過ごし方」が表出すると言えます。常に自分に対して新鮮でいないと怠慢な顔になります。
チェック・ポイントは鏡を見ながらつくった綺麗な笑顔を鏡なしでもつくれるかです。
人間の顔は左右対照ではありません。左だけの顔を反転させて合成したものと、右だけの顔で同じように合成してできたものを比べるとあまりの違いにびっくりします。
もし左右の自分の顔の歪みが気になるようでしたら、それを補正するように笑ったり鼻の穴が見えなくなるあたりまで、口角を引き上げて笑顔をつくることもできます。
笑わないポーズ
中井信之 (なかいのぶゆき)
ポージングディレクター・
俳優・モデル・劇作家・
演出・イメージコンサルタント
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国際イメージコンサルタント協会AICI/青山オフィス/日本ポージング協会
ワタナベエンターテイメントカレッジ/大妻マネジメントアカデミー(OMA)/渋谷ファッション&アート専門学校/
BLEA 専門学部など
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