●何も表情をつくらない

誤解を恐れずに言えば、モデルのポートレートでは何も表情をつくらず「無表情でただそこにいる」写真というのが一番インパクトがあると思います。これは、多くの広告写真が何らかの意識的な表情をしている(笑う・澄ます)のに対し、その逆を狙っているともいえます。つまり、よく若年層のモデルに求められる「まだ表情を知らない顔=無垢なもの」の雰囲気です。
 しかし、これが効き目があるのは、顔の造作のバランスが非常に整った人の場合とも言えます。つまりだまっていても、えもいわれぬ美しさがあれば、かえって人は「どうして無表情なのだろう、ほんとは何を考えているのだろう」と、惹きつけられるのです。簡単に言えばカメラを向けられているのに、何も表情をつくっていない様子が不思議な雰囲気になるわけです。

●計算した無表情
156 計算された無表情