★世界のファッションフォトグラファー Vol.1 お勧め度●●●●●(5つが最高)


各国の「VOGUE」「BAZAAR」「W」「Numero」などのファッション雑誌、GUCCI・HERMES・PRADA・LOUIS VUITTON、など有名ブランドの広告で現在、第一線で活躍しているフォトグラファー9名を紹介している。構成は、写真とスタジオの様子、本人へのインタビュー。
 インタビューの中には、『売れたきっかけは?』が入っているようで、多くのフォトグラファーが『運とタイミング』というニュアンスで答えている。
 スタジオや事務所の様子を写真で公表しているのは、インタビュー以上にフォトグラファーの気質を探れるような気がする。

★世界のファッションフォトグラファー Vol.2 お勧め度●●●●●(5つが最高)



Vol.1 に続いて出版されたVol.2。またまた、どこかの雑誌のブランド広告で見た写真のフォトグラファーたちの生のキャラクターを知ることができる。
 Vol.1と同様、スタジオの様子、さらに詳しく実際の撮影風景(MOSCHINO 2006)(Italian VOGUE)も公開している。
 最後に編集者が「一人でも多くの日本のファッションフォトグラファーが世界を相手に仕事ができることを願ってこの本を編集しました」と暖かいコメントを載せています。

★20th Century Photography(TASCHEN) お勧め度●●●●●(5つが最高)


20世紀を代表する写真や写真家の辞典。760ページで見ごたえがある。こうした辞典自体が時代の標本であり、時を記録してきた写真の本質が伝わってくる。
 技術の発達であたらしい構図が可能になったことや、組写真やキャプション付きのものなど表現の多様性も知ることができる。
 人物、モノ、風景など様々なジャンルの中で、ファッションフォトを見つめ直すことができる。

★20th Century Art(TASCHEN) お勧め度●●●●(5つが最高)


20世紀を代表するアートの祭典。タッシェン(TASCHEN)の20世紀シリーズのアート版。これも760ページ。絵画、彫刻、オブジェ、などなど、ありとあらゆるアートに関して作家と作品を紹介し
ている。教科書でみたものもあるが、『これもゲイジュツ?』というものに注目したい。同じシリーズの写真家の紹介本と違い作家の苦悩がダイレクトに伝わってくる感じがする。ポップな作品はファッション性が強いので色づかいも参考になる。

★THE FASHION BOOK(PHAIDON)お勧め度●●●●●(5つが最高)


ファッション・デザイナー、フォトグラファー、イラストレーター、ファッションのシンボルになった人やモデルなどの人物辞典。 ペラペラめくっているだけで楽しい。コンパクトなサイズでアルファベット順に各ページが人の紹介と代表作品になっているので見やすい。それぞれの人物が、どんな人とつながっているか(仕事をしているか)も補足してあるので業界の相関関係もわかる。
 

★The Modeling Life / Donna Rubinstein お勧め度●●●●(5つが最高)

modeling life
著者は、雑誌、セブンティーンのモデル担当編集者。モデルの仕事の詳細、生活、売り込み、成功者へのインタビュー、なりたい人へのアドバイスなど、(出版当時の)有名事務所のアドレスまで入っている親切本。
 見識はニューヨークでの事情に基づいているが、日本でも共通することは多いと思う。著者は、モデルの素養として@写真写りが良いA健康な体と綺麗な肌B自信があるC人格者であるD表現が豊かE知性と教養F責任感とプロ意識、をあげている。10代から大人に混じって仕事をするには、同年代のしっかりした友人を持つことも大事、学業と仕事の両立の難しさもあげている。

★MODEL THE COMPLETE GUIDE FOR MEN AND WOMEN / MARIE ANDERSON BOYD   お勧め度●●●(5つが最高)


‘完全’というだけあって、事務所の入りかた・入ったあと・スキンケア・化粧法・エチケット、仕事の種類、(出版当時の)各国でのモデルの仕事環境・ギャラの管理・食事と運動、等々、モデルとしての生活に関することが網羅してある。写真入りで、分かりやすい。 
 
モデルは他の商品と一緒で一つの‘製品’である。違いは人間であるから感情があること。そこで、商品としての自分から、いかに私的感情を切り離せるかが大切である」と書いてある。ブックの作りかた、カタログ写真と、雑誌広告写真、ファッション広告写真の雰囲気の違いなどにも触れている。きわめて具体的な内容。

★トップ・モデル / M・グロス お勧め度●●●●●(5つが最高)


モデル・フォトグラファー・エージェントなどモデルを売り出すための産業を含めたモデル業界の歴史。文庫で約600ページ。
 これを読むとスーパーモデルが流行ったのは、一種、グループ的なアピールの仕方だったことがわかる。数多くの有名モデルに取材がしてあり、各時代のモデルの実生活についての詳細がわかる。「見かけが綺麗だとちやほやされるだけで、だれもそれ以上の深い興味を示してくれません。そのまま年をとり美しさが衰えはじめたとき、どんな人生を送ることになるのかしら」という教訓が出てくる。

★ヴォーグで見たヴォーグ / G・ミラベラ お勧め度●●●●●(5つが最高)


1892年に創刊された上流階級雑誌だった『ヴォーグ』の変遷がわかる。ファッションがイメージ戦略に染まり、ライセンス・ビジネスに変貌してゆく過程が詳しく書かれている。
 
作者は『ヴォーグ』の編集者で、ヴォーグを「リアリティのある世界で楽しんで着ることのできる服」を紹介できる本に変えた人。 スタイルとは「女性が自分をどう表現するか、世界とどのように接していくかの姿勢。金額も流行も『こぎれいに装う』ことも超えたところにある」。時代に合わなくなれば、巨匠カメラマン、売れっ子モデル、そして雑誌編集者さえも捨てられる……
 “流行”という魔物の中身を垣間見ることができる。

★エレガンスのルール / ジュヌヴィエーヴ・アントワーヌ・ダリオー お勧め度●●●●●(5つが最高)

著者は、長年、ニナ・リッチのオートクチュール・サロンの支配人を勤めた。エレガンスとは「慎みとシンプルさ」と定義。エレガンスの語源はラテン語のeligere=選ぶ。有名デザイナーにお金をつぎ込むのではなく、頭を使うことと言っている。
 
 「時計は昼間つける実用品なのだから、華美である意味はなし」「靴をおしゃれの主役にしてはいけない」「午前中に見に付けてよいダイヤモンドのジュエリーは指輪だけ」等、明快であり潔いよい。
 
流行で慣習もかわるが、時代に風化されないセンスがここにはある。
本文の上段に要点をまと小文がある。それを読むだけなら30分もかからない。そして、一生の教本になる。
 
実物の写真など掲載されていないが、読み終わるだけでファッションについてイマジネーションが豊かになる。カバーを取ると、なんともいえない赤の背表紙。本棚に飾ると美しい。

★ヘア・カルチャー / グランド・マクラッケン 著 お勧め度●●●●●(5つが最高)

著者は文化人類学者。原題はBig Hair。著者は、「何故、髪が文化なのか?」という自問に「髪の毛が文化的に重要なのは、女性が自分をデザインするためのもっとも有効な方法」と考えた。

「ブロンド・ブルネット・赤毛・プラチナブロンド……」といったカラーから、「セクシーヘア、ビックヘア、坊主、ボブ、妖精カット、ロングヘア……」といったスタイルまで、それがいったい何を意味するのか、人にどう思われるのかを、わかりやすく解説。

女優がヘアスタイルでイメージチェンジをどうはかったか。外見から個性をつくる典型的な例として考えると面白い。
原文は読んでいないが、成実弘至さんの訳が、的を得た日本語に置き換えられていて、いっそうこの本を楽しいものにしている気がする。

★ビジョナリーズ / スザンナ・フランケル 著 お勧め度●●●●(5つが最高)

ブランドの紹介宣伝本ではない。デザイナーに直接インタビューして、ポリシー、心、哲学にスポットをあてている読み応えのある本。写真も多く楽しめる。インタビューで得た言葉から、さらにデザイナーの本質には言及していないが、天才たちの言葉を素直に聞くだけで充分である。
 
 掲載されているデザイナーは、ソニア・リキエル、イヴ・サンローラン、ポール・スミス、ジョン・ガリアーノ・トム・フォード、ジャンポール・ゴルチェ、アレキサンダー・マックイーン、川久保玲、山本耀司、三宅一生など。

 ジャンポール・ゴルチェの「毛皮は、きどって着るのはつまらない」や、フセイン・チャラヤンの「ファッションショーに誰が来ていた、誰が出た」という話題が一番になるのは「うんざり」という言葉には考えさせられる。

 ★THE END OF FASHION=ファッションデザイナー / T・エイギンス お勧め度●●●●(5つが最高)


「食うか食われるか」という副題がついているとおり、経済からみたファッション・ブランドの成功と失敗を実証で分析している。とくにアルマーニ、ラルフ・ローレン、ダナ・キャランなどの戦略は
ビジネス書としても読む価値がある。
 
デザイナーがイメージ戦略に自社の服を有名人に着せたがるあたりに、その逆説としてモデルが独立して有名になっていった伏線があると思う。「(モデルより俳優やスポーツ選手などの)有名人の方が現実の人間に近い気がする<イン・スタイル>」は心に留めておきたい言葉。

★世界服飾史 / 監修 深井晃子 お勧め度●●●●(5つが最高)

古代オリエントの服の発祥から、インターネットが世を圧巻する以前までのファッション史。
後ろページの事項検索、人名検索、参考文献の数と種類を,
ざっとみわたすだけで、この本は、辞典ほどの内容を一般の人が楽しめるように工夫してつくってあることがわかる。

写真や資料が多くみているだけでも楽しい。

古代のトガ、贅沢禁止令、紋章、マント、戦争時代の「国立モード協会」、付けぼくろ、ダンディズム、等々、「そんな歴史があったのか?」と、驚かされる。

女性の服の歴史をあつかったものは多いが、この本は、男性のスーツが生まれるようになった経緯も詳しくて興味ぶかい。

★サーカスへようこそ / ジョン・フェアチャイルド お勧め度●●●(5つが最高)

サーカス
日本でも発刊されているファッション業界誌『WWD(ウーマンズ・ウェア・デイリー)』の発行人による裏側からみたファッション界の話。
 インターネットの無い時代には、この業界誌にのるコレクションの評価が、いかに売り上げに影響力をもっていたかわかる。長きにわたり「IN&OUT(はやりとすたり)」に携わった著者が「ファッションには確固たる理論がない」と言い切っているのが面白い。後半は何故か有名デザイナーたちとの交友自慢話で始終するが、デザイナーのオリジナルスケッチのページがあるのは貴重。

★なぜ美人ばかりが得をするのか / ナンシー・エトコフ 著 お勧め度●●●●●(5つが最高)


「何が美しさを決めるのか」について、広範囲にわたり数値を元に科学的に分析している。顔、体型、髪、しぐさ、肌、ファッション、声、匂い…… 
 美しい人は何故もっと幸せになれないのか、について「しあわせは外見や財産ではなく、楽観主義、自立心、自尊心、欲求不満にたえる能力、他者といることを楽しむ感覚、他者への愛情といった個人的な資質にかかわるものだ」という心理学者の意見を紹介している。読み物としてもユーモアのある文章が楽しい。

★フェイス・ヴァリュー / ロビン・T・ラコフ/ラクェル・L・シェール 著 お勧め度●●●(5つが最高)

フェイスバリュー
女性の大学教授が書いた「女性が自分の容貌とどう、折り合いをつければよいのか」、美しくありたいという悩みの本質に焦点をあてた内容のある本。
 美は権力として歴史の中でいかに利用されてきたか、何のために美しくありたいのか、ヴォーグの歴史などもわかる。
 カメラマン、ドゥマルシュリエの「本当に美しくてセクシーな女性はいつも何か欠けているところがある」という言葉が印象的。

★世界写真全集 コマーシャル・アート / ブライアン・ホーム編集  お勧め度●●●●(5つが最高)

 縦28センチ、横25センチ、巾2.5センチ、200ページの広告写真集である。

 世界写真全集は、全部で12巻からなる。その中のコマーシャル・アート。
 

 この本の文章は前書きのみで、ひたすら写真がある。一枚一枚を良く見る……広告のグレードがどんどんあがってゆくのがわかる経済が時代をビジュアル化してゆく
 

 女性がタバコを吸うようになる……ストッキングができる……テレビがはやる……。

デジタルのなかった時代の写真である。ゆっくり鑑賞したい。

★おしゃれの社会史 / 北山晴一 お勧め度●●●(5つが最高)


服とは仕立て屋が貴族階級のために作ったものだったことがわかる。「19世紀パリでは、ブルジョアはシーズンごとに衣服をしつらえたが、民衆層の大半は同じ服を10年も着続けた」。この都市が、いかにモードの都に変わっていったか。これを、解き明かすのが本書の本懐である。
 
政治への言及にとどまらず、視点は「衣服を作る人・売る人・着る人」からの見解になっているのが読みやすい。キーワードは、都市の発達・デパートの発祥・アーケード街の出現・既成服の発達・女性向けモード誌の刊行などで、現在のファッションビジネス成立の歴史が広範囲にわたって把握できる。

★衣服は肉体に何を与えたか / 北山晴一 お勧め度●●●●●(5つが最高)


サブタイトルに‘現代モードの社会学’とある。様々な角度から日本のファッションについてアプローチしている。引用の広域性、視点の独自性、どちらも教科書的ではなく面白い。
 「流行の加速による消費行動は精神性のない時間の浪費」と鋭い。何故、‘美しさ’がすぐに規格化されるのか・日本にとってのモードは‘趣味’がキーワード・現代ファッションビジネスを作ったシャネルとディオールの仕事、などにも触れている。
 人は「無意識に他人を真似してしまう」のに「他人と同じでは気がすまない」とある。ファッションビジネスが成り立つ所以である。

★人は見た目が9割 / 竹内一郎 お勧め度●●●●●(5つが最高)

 ビジネスや恋愛を有利に運ぶ外見づくりのノウハウ本ではない。
著者は『見た目』を「言葉以外の情報すべてをひっくるめて(感情が読みとれるもの)」と定義した。
 
演劇とマンガ(つまり言葉と絵)の考察で、台詞以外の仕草、表情、デザインなどがどんな感情の暗喩になっているかがわかる。さらに、現実の生活で、その紋切り型の表現にいかに私たちが慣らされているかに気づかされる。
 この本はベストセラーである。私たちが『見た目』を信用している証人ということだ。
 どんな女性がかわいらしく見えるか……というくだりは、著者と同性であるわたしは大いに共感できた。男性社会にここまで分析されていることを女性も知っているということが面白い。

★ブランドビジネス / 高橋克典 お勧め度●●●●(5つが最高)


著者は、ブランドとは「特別な香りを放ち、名前が有名で、長く続いている、あるいは続いているように見えるもの」と定義している。香りの要素は「高級・ファッショナブル・目立つ・プレステージ・セレブリティー・希少価値・伝統・高品質」。
 ブランディングをビジネスとして考えればマーケティングの解説書になる。この本は、「ブランドとはそもそも何なのか? 何故、惹かれるのか? 何故、強大になっていくのか?」を、私たちに身近な視点からわかるように書いてある。

百貨店とアパレルメーカーの関係、ライセンス契約・ロイヤリティー(商標使用料)についてもわかりやすく、仕組みではなく携わる人々の感情まで読める。
ブランドは“信用”を買っている、と言える。この本の読後は、ブランド品は理解して購入するべきであり、そのブランドを守る人として参加している意識が芽生えるのではないだろうか。

★モードの方程式 / 中野香織 お勧め度●●●●●(5つが最高)


日本経済新聞に連載されているファッションに関するコラム。流行に関すること、ファッション・アイテムの名前の由来や、マナーに関することなど、歴史考察を踏まえ紐解き方が深く、しかも説明は簡潔。
 第四章、「ファッションを作る言葉」では‘ロマンティック’‘ゴージャス’‘グラマラス’‘かわいい’‘クール’‘シック’など、雑誌に頻繁に登場する語源の説明があり、日本での解釈とオリジナルの意味の違いは大いに参考になる。
 各、コラムの終わり方が、一ひねりあって次々読みたくなる。
起承転結の「転」から「結」が、しばしばアクロバティクにつながり、著者の柔軟で広範な知識に魅力を感じる。
(この本には掲載されていませんが新聞では清田貴代さんのイラストがコラム内容を印象づけるキーポイントになっています)

★人は何故服を着るのか / 鷲田清一 お勧め度●●●●●(5つが最高)


示唆に富んだ作者の言葉や引用の言葉を沢山みつけることができる。
 「顔は記号を書き込むためのキャンパスになったのか」「現代は何でもあるが、だからこそ決定的なものがない」「ファッションとは私は誰か?、から始まる」「自分が服を着ている姿は見ることができない」「流行は自らを裏切る」「スタイリッシュとはスタイルに囚われないこと」「衣服は肉体よりも精神に合う」「古着が流行るのはがんばって新しいものを着る元気がない」……こういうことを考えながら仕事をしている現役モデルがいたら面白い。
 作者は哲学者・大阪大学副学長・教授。ファッションや現象としての身体論など著書多数。

★ブランドの条件 / 山田登世子 お勧め度●●●●(5つが最高)

 「ファッションの技法」の著者、山田登世子さんの本。プロフィールに「好きなブランドはコムデギャルソン、香水とバッグはシャネル」と一行入っているところに、仏文研究者のセンスを感じる。

 

 この本を要約するとブランドの条件は「伝統があり、信頼できること」である。当たり前のようだが、企業として維持し、発展させるには「伝統と信頼を守りつつ、つねに変化し続けなければならいない」。

 

 「ヴィトンの伝統料つきの値段」「たくさん作らない希少性のエルメス」「偽物を容認したシャネルの先見力」など、三社にしぼった説明だが、充分、汎用性がある。

 

 「モードは現在、ブランドは永遠」という両立不可能なはずのニ要素を、どう、各社が舵取りしているのかがわかる。

 

 商売は繁盛しつつ、ファッショナブルであるバランスの良さが、成功しているブランド

の肝である。この本も、文章は平易であり、奥が深く絶妙なバランスで楽しい

★ファッションの技法 / 山田登世子 お勧め度●●●●●(5つが最高)


著者は大学教授。しかしアカデミックに偏らず大学の生徒のリアルな感覚に視点を移したところもあり読みやすい。
 論題は「人は何故おしゃれをするのか」で、結論は「(女性が男性を)誘惑するのを含め、同時代を共有したい」ということになる。それは、著者が数ページをさいて触れているシャネルの『愛されない女は無に等しい』という言葉に共通する感性であると思う。人はファッションに騙されたい遊戯性を生まれもっているのだと感じる。タイトルに‘技法’とつけたのはその意味ではないだろうか。

★マンウォッチング 上・下 / デズモンド・モリス お勧め度●●●●●(5つが最高)

無意識に表れる人の行動の真の意味を分析した古典ともいうべき書。著者本来のも目的は「他人の動作の意味を理解することは、その人がかかえている問題を洞察することであり、行為の裏を知ることによって、以前には攻撃をしてしまったことでも、許容できるようになるから」である。
 
内容は、ジェスチャー・方言信号・バトン信号・姿勢反響・自己接触行動・過剰信号・障壁信号・瞳孔信号・転位活動・軽蔑信号・威嚇信号・着衣信号・身体装飾・メタ信号、等、ありとあらゆる行動を写真や絵もつけて解析している。
 この本の内容を熟知すると、他人の日常を観察(マンウォッチ)することが、芝居をする上での役作りやキャラクター作りのヒントになることがわかる。俳優、モデルを目指す人の教科書といえる。
 ビジネスシーンでは、交渉術の実用書にもなる。

★この人はなぜ自分の話ばかりするのか / ジヨーエレン・ディミートリアス お勧め度●●●●●(5つが最高)

副タイトルは、−こっそり他人の正体を読む法則―
著者はアメリカの裁判における陪審員を選ぶ陪審コンサルタント。400以上の裁判、1万人以上の調査データの結果から「ひとりの人の持つ、さまざまな特徴の中から浮かび上がる性格や考え方のパターン」を分析。性格を決める3つのポイントは「思いやり・育った環境・人生への満足度」としている。 

この本の目的は「相手の行動を予測して誰もが人生をより楽しくより実り多いものにできる」ため。「人生とは早く答えを出すと多く得点できるゲーム」であるかのように、せっかちに人を判断」しないように警告している。読後は、人との接し方が以前より丁寧になる。
 俳優やモデルは、まず外見(本人が選択できる身体的特徴=服装など)で自分を商品化する。それに合わないボディランゲージ(まわりの状況に反応して出る無意識の行動や癖)を発していないか、この本を読むと考えさせられる。役作りにも大いに参考になる。

★モデルの知恵袋 / 中嶋マコト お勧め度●●●●(5つが最高)

モデルの知恵袋
モデルの著者ならではの実体験に基づいた美しくなるヒントがいっぱい。美容については具体的な商品名や会社の電話番号まで入っている親切本。
 ファッション・ダイエット・食事・運動など、モデルらしくなるための本はたくさんある。しかし、写真うつりを良くする現場のテクニックなどは、実際のモデル経験者でないとなかなか知ることができない。この本は極めて具体的な即席対処法が満載。読んだらすぐ実践できる。

★映像の修辞学 / ロラン・バルト お勧め度●●(5つが最高)


用語は難解。しかし、「写真から何を読み取れるか、記号表現はなにか、イメージとは何か、メッセージはどこにあるのか……」などを解き明かした古典なのである。
 たとえば、お祈りのポーズをしている写真のメーセージは<ポーズ>なのか<祈り>そのものなのか? その答えは、受け手に委ねられる。つまり写真には共示性があると分析している。また、「写真に写っているものは真実」と思われるなどの考察が冴える。

★広告のヒロインたち / 島森路子 著 お勧め度●●●●●(5つが最高)


ヒットした広告、TVコマーシャルに登場した女性タレント、モデル、女優の特質を時代考察を背景に柔軟に分析する。『かわいい・クール・三枚目・謎めいた無表情・あどけなさ・勝気・お茶目・あやうさ・自立した・投げやりな・元気な・一途な・自然体・癒される・したたか……』。
 広告で好まれた女性タレントに求められたキーワードは、そのまま流行のキャラクター史でもある。
 流行は繰り返されていることを考えれば、今、人気がある人はどの系統なのかわかる。

★美しい表情の秘密 / 古川正重 お勧め度●●●(5つが最高)

美しい表情の秘密
著者は、医学博士で、日本情緒工学研究会を発足させた一人。情緒工学とは「人の感情と情操を情緒と称して、情緒の表出としての表情、行動などの生理学的機構をテクノロジーの概念を取り入れて研究する科学」。
 「表情は、その発生に意志が関与しているか否かによって、意志によって自由につくれる随意的な表情とつくれない不随意的な表情に大別」される。つまり、美しい表情の出来方を知るには筋肉の動きについて知らなければならない……ということで表情筋を14種類にわけ、表情ができるときに使われる筋電図の実験データによってそれぞれの機能を解説してある。
 専門書だが、考察は能面や歌舞伎、演技、美術に及び興味ぶかい。

★顔は口ほどに嘘をつく / ポール・エクマン ●●●(5つが最高)

原題はemotions resealed 隠された感情。感情によって変化する表情の分析本。著者は心理学の教授。いささか分析が細かく実験成果の発表という感がある。ただし写真が多いのでよく見れば納得できる。

 冒頭にモデル(著者のお嬢さん)の様々な表情の写真があり、これを「怒り・恐れ・悲しみ・嫌悪・軽蔑・驚き・喜び」に見分けるテストからはじまる。

 読後は「人の感情を読み取るには、顔のどこに注目したら良いか」がわかる。

感情のメカニズムは「私たちは起こった感情について『何故そう感じたか』を疑おうとせず、それにあわせて周囲の物事を解釈し、その感情を正当化しよとする」とある。ここまでわかっていても感情を優先するのが人である。

★本音は顔に書いてある / アラン・ピース&バーバラ・ピース 藤井留美(訳)●●●●●(5つが最高)

副題は<言葉の嘘>と<しぐさの本音>の見分け方。ボディランゲージに関しては、『マン・ウォッチグング』という詳細に人の仕草を分析した素晴らしい本がある。こちらは、日常に出てくる要点だけしぼっていてわかりやすい。表情や、仕草のイラストも多く、忙しい人がぱっと目を通してもビジネスシーンにすぐに役立つ。知らず知らずにしていた自分の仕草の本音がわかりドキっとする。

★第一印象で差をつけろ / アン・デマレイス&バレリー・ホワイト 橋本夕子(訳)●●●●(5つが最高)

副題は「また会いたいと」と思わせる7つのポイント。著者は経営者や企業幹部の第一印象をコンサルティングするファースト・インプレッションズ社の創設者の二人。初めて出合ったあとの会話の順序は@現在の話=今ある状況=たとえば天気 A事実=今起きていること=たとえば「……って聞いた事ありますか?」 Bお楽しみ=考えや意見=Aについての個人的見解。

つまりAが相手の仕事や興味に合わせることができて、かつBの価値観が近いと、相手と「親しくなる」ことができる。

★影響力の武器 ロバート・B・チャルディーニ ●●●●(5つが最高)

著者は社会心理学者。広告文や写真にどう心理をうごかす要因が含まれているかがわかる。ビジネス本だが、コマーシャルにかかわる俳優やモデルが、これを知っているのは表現の手助けになる。この本は戦略として利用することもできるし、賢い消費者として参考にすることもできる。各章の終わりに“まとめ”と“設問”があり、内容を読み落とさないための配慮がある。

★making faces / Kevyn Aucoin ●●●●(5つが最高)

ケヴィン・オークウインのファンにうってつけの本。様々な時代に流行した女性のメークの仕方や女性の魅力をいかにメークで際立たせるかがわかる。メイクのビフォー、アンド、アフターのモデルも載っていて、その変わりようは驚きである。

顔の各パーツのメークの仕方も図解や写真入りの説明でわかりやすい。演劇人にとっては、西洋ものの役のキャラクターを強調するための舞台メイクの参考にもなる。

★Kevyn Aucoin a beautiful life / Kevyn Aucoin ●●●●(5つが最高)

ケヴィン・オークインの自伝とスターのメイクアップ集。絵の好きな少年がいかにヴォークの表紙モデルのメイクをするにいたったかがわかる。クリスティ・ターリントン、ジュリア・ロバーツ、ナオミ・キャンベル、ジュリア・ロバーツ、シャロン・ストーンの大きな写真とケヴィンに対する賞賛のコメントも載っている。眉、まつげ、リップ、アイメイクなど基本的なつくりかたも数ページある。

 写真が大きく、トップスターの虹彩と瞳孔の色の組み合わせと、髪の色、眉の色を詳細に見ることができるの。

★BOBBI BROWN BEAUTY / Bobbi Brown ●●●(5つが最高)

副題は‘究極の美容バイブル’。カラー写真も多く見ていて楽しい。基本知識や道具の使いかたはもちろん、アジア、ラテン、アフリカンなど女性の肌の色にあわせた考え方がわかる。

季節、ティーンエイジ、ブライダル、フォーマル、など切り口も広範で詳細な説明がある。メイクアップにも流行があるが、著者のスタイルは「メイクしていないようにメイクする」のが持ち味。元々の美しさをどう活かすか引き算のメークである。日本語版もあるが内容は半分になり写真も白黒になる。

★VOGUE メイクアップ百科 / ジュリエット・コーエン著 山野愛子ジェーン(日本語版監修)●●●(5つが最高)

メイクの基礎本。具体的な技術の紹介というより、どんなイメージにはどんな色の製品をつかうのかを解説。1920年代からどんなメイクがはやってきたのか冒頭に紹介がある。

 この本でメイクの仕方が、うまくなるわけではないが、写真のモデルは質がたかく見ていて楽しい。

★Power Etiquette / Dana May Casperson ●●●(5つが最高)

副題は「しらないとキャリアを台無しにすること」。第一印象・ビジネスワードローブ・食事のマナー・手紙の書き方・出張時の注意点・電話のしゃべりかた・ネチケットなどを詳細に網羅したビジネスマナー本。テーブルセッティングは図解入りで楽しい。

 見た目をよくするとは「中身もととのえる」。ビジネスシーンでは「相手への思いやりが実はファッショナブル」であるという理由がわかる。

★How to Get Youre Point Across in 30 Seconds or Less / Milo O.Frank ●●(5つが最高)

初対面の30秒で、どう印象づけるか。当たり前だが第一印象を印象付けるのは、一回のチャンスしかない。著者はテレビコマーシャルやラジオのトークを例にして、人がモノに興味をもつ、最小単位が30秒としている。この間に一生記憶に残る印象を残すには、何を着て、何をしゃべるべきか。とにかく目的を明確にして、そのための‘hook’を言葉や外見に仕込むこととしている。話す内容についての説明は細かいが、着るものは人それぞれでOKと片付けている。

★Best Impressions / Dawn E.Waldrop ●●(5つが最高)

著者はイメージコンサルタント会社、「ベスト・インプレッション」の代表。プロらしい雰囲気を出すには、どう装うか、色使い、身だしなみの注意点、何を身につけるのか等、男女にわけて書いてある。イラストや写真はない。

★10 STEPS TO FASHION FREEDOM / Levene & Mayfield ●●●(5つが最高)

デザイナーと、演劇出身の著者の共著。自分がどんなキャラクターで、どんなイメージをめざし、具体的にどんな服を選ぶべきかを10段階で説明してある。厚さ2.5センチ。イラストや図はないので読解力が必要になる。

 著者はまずはじめに、「パッションを大切に」、情熱をもって熱中できるものは何か、それが本人の特質にむすびついているといっている。

 マナー、ユーモア、しゃべり方などの「インナースタイル」が「パーソナルスタイル」に関係する。ワードローブの作り方、ショッピングの仕方までアドバイスしている。

★Wardrobe Strategies for Women / Judith Rasband ●●●●●(5つが最高)

2センチの厚みはある充実の本。著者は家政学科出身。パーソナルイメージをつくり上げるために色、生地、柄、体型、ワードローブづくりなど、必要事項を網羅してある。

 これ一冊で充分かと思わせるイメージコンサルタントの教科書。問題集のように随所に自分で記入する空欄のチェック項目がある。カラー写真が少ないのが、ますます教科書的。

★color me CONFIDENT / hamlyn ●●●●● (5つが最高)

自分に似合う服、体型を良く見せる方法をわかりやすく説明。

写真が多く、色の説明もカラーが豊富。体型の説明になると多くの本はイラストになるが、この本は7つのタイプ別の実際のモデルさんが登場していてわかりやすい。似合う服のパターンも実物を着た写真で説明がしてあり信頼できる。

★Looking Good / Nancy Nix-Rice ●●●●●(5つが最高)

著者はイメージコンサルタント。
 服のラインによって体型を補正してみせる例がシンプルでわかりやすい。20にわけた体型別の着る服のアドバイス。スカーフの巻き方。顔の形にあわせたアクセサリーの選びかた。髪がたによって人の印象がどうかわるかなど、ビフォー、アンド、アフターでモデルを使いその変化は一目瞭然である。ヘアメイクは年齢にあわせ自然な変化を享受してゆくべき、という考えに賛同できる内容である。

★The Triumph of Individual Style / Mathis & Connor ●●●●●(5つが最高)

著者が膨大な時間を使って古典美術から現代のスタイルに共通する美意識を導き出した本。絵画や彫刻などのアートから分析した体型と、それに似合う服の選び方という流れで解説。
 ルノアール、ゴーギャン、モジリアニ、ジョン・シンガー・サージェントなどの絵画が沢山登場する。カラーハーモニーの例えも古典絵画の色調をサンプルにしていてオリジナリティがある。絵のないページは無く、見ているだけでイメージのトレーニングになる。

★5 Steps to Professional Presence / Susan Bixler & Lisa Scherrer Dugan ●●●●(5つが最高)

厚さ1センチ、イラストや図はない、イメージアップのための実用書。 

 ビジネスマンがプロとしての存在感を出す5ステップとは1、第一印象を良くする。2、言葉以外のしぐさ、握手、アイコンタトなどの効果を意識する。3、メールや手紙など証拠にのこるものは細心の注意をはらう。4、社内や社外のビジネス・エチケットを守る。5、社会的に顔を広める知恵をつける。実際のエピソードもコラムで載っている。

★Always In Style / Doris Pooser ●●●(5つが最高)

流行は変わってもパーソナルなスタイルは変わらない……ということで“Always in Style

 
どうしたら個性豊かに自分が満足できる自分になれるかを、容姿の見せ方で説明してある。人それぞれのボディラインに合わせた、ワードローブ、肌の色にあったヘアとメイクアップという分け方でわかりやすい。体型の分け方も簡単で、それに似合う服の形のイラストが載っている。表紙は著者の写真。この前に出版された“Secrets of Style(内容はほぼ一緒)も、表紙は著者で、その違いを見ると自らもイメージの変化を実践していることが分る。

★UNIVERSAL STYLE / Alyce Parsons&Diane Parente ●●●●(5つが最高)

肌の色がほとんど他の人と変わらない日本人にとって、カラーをベースにしたパーソナルイメージづくりはそれほど差異を実感できない。この本は、性格、嗜好などをパーソナリティに分析したものなので自分のことをあてはめて楽しめる。

 トラッド・スポーティ・エレガント・ドラマチック・クリエイティブ・セクシー・フェミニンのどれに自分が当てはまるか、問診で割り出せる表がついている。そしてタイプ別に、好まれる服のイラストが載っている。内面と外見が違う人は利用価値が高い。

 

★コーディネートの秘密の法則 / 押田比呂美 お勧め度●●●●(5つが最高)

既成の服や靴、バッグの中から、いかに状況やコンセプトにあったものを選ぶか、そのプロフェッショナルな視点を日常生活に即して解説してある。特定ブランドのタイアップ本ではなく、服の購入めやすとなる金額設定も読者に対する良心を感じる。写真も服の形がわかりやすいく実用的。

「コーディネートの基本は、まず肌の色にあった基本色を決めること」。服選びのポイントは「何を買って何を着るかよりも、どうしてそれを選ぶのか、どうしたらそれが似合うのか」、「どんな服を着たいかではなく、どんな女性になりたいか」など、コーディネートにも流行はあるだろうが、著者の考え方に普遍性があり共感する人は多いと思う。

★コーディネートの究極の法則 / 押田比呂美 お勧め度●●●●(5つが最高)

前著、「コーディネートの秘密の法則」の第二弾。前著が秋冬ものに関しての内容だったのに対し、こちらは春夏もの。自分らしいスタイルづくりのコツ、お洒落を楽しみながら、美しくなる秘訣をさらに詳しく触れている。前著同様、写真や文に無駄がない。
 スーツ、ジャケット、インナー、パンツ、スカートなど8点(写真つき)のアイテムを使って、様々なビジネス・シチュエーション、アフターファイブ、小旅行まで、着まわしてみせる説明はどれも納得できる。
 「上品な着こなしをキープするルール」や「無難に陥らないための工夫」は実践的。
カジュアルになりがちな春夏ものを選ぶポイントは「ひとつひとつの服に力のあるものを選ぶ」「着やせのコツは自分のよいところを強調するデザインを選ぶ」など具体的で明日から実行したくなる。男性が読んでも参加になります。