★アニー・リーヴォビッツ:レンズの向こうの人生 ●●●●(5つが最高)

 アニーが、自分が撮った写真について説明するシーンがある。どうやら魅力的なポートレート写真のコツは、被写体と身内の関係になることだとわかる。身内とは“欠点を知った上でよく見せてあげよう”という気持ち。

 「プラダを着た悪魔」のモデルになったアナ・ウインターがインタビューに答え「(何故、彼女を使うかって)フォトグラファーはたくさんいるけど、彼女ほど必死にやっている人はいないからよ」と答えている。一流は一流にこだわるコメントである。

 

 映画が伝えているのは、この世に残る仕事をするには、代償も多い……ということだろうか。監督はアニーの妹だが感傷はしていない。リアルな映像詩であり、しばらくしてからパンチが効いてくる。

★THE DEVIL WEARS PRADA=プラダを着た悪魔 お勧め度●●●●(5つが最高)

出演 メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ。
 登場人物のキャラクターに照らしてファッションの有用性と無用性の両面を指摘しているバランスのよい映画。雑誌とデザイナーの関係もわかる。
 アシスタントが交通事故を起こすなどヒロインが悪者にならないような都合のよい処理もあるが、その分、後味の爽やかな楽しいストーリーになっている。主演女優二人のキャスティングは抜群。
 世界のファッションをリードする雑誌の女性編集長が何故、‘鉄人’にならざるを得ないのか、クライアントからの圧力等、もっと詳しく知りたくなる。
 業界の人々が実名でポンポン登場するのはこの映画に華を添えている。

★Marie Antoinette = マリーアントワネット お勧め度●(5つが最高)

ソフィア・コッポラ監督・脚本、キルスティン・ダスト主演、ミレーナ・カノネロ衣装。
  18世紀末のフランス革命で処刑されたルイ16世王妃を現代風の少女としてとらえた伝記映画。フランス政府協力のもと、ヴェルサイユ宮殿でロケ。
 ストーリーはドラマらしい葛藤が掘り下げられていないので夫の愛情を得られない王妃のせつなさは感じられない。現代のティーンエージャーと同じように(たとえば親の反対する服を着たがる)、思春期の不満の代償行為として、おしゃれに散財することを楽しんでいるふうに見える。
 80年〜90年代ロックをBGMにロココ調の世界が展開されるミスマッチを楽しめる。

★project RUNWAY THE COMPLETE SECOND SEASON ●●●●(5つが最高)

進行役はハイジ・クラム。(セカンドセッションでは)16人のデザイナーが勝ち抜きによってトップを極める。審査は、それぞれのデザイナーの服を着たモデルがランウェイを歩き、プロのデザイナーや、スタイリスト、ファッション雑誌ELLEのエディターなどが審査をする。
 毎週、代わるデザインのテーマは、花、バービー人形、NYの街などからのインスピレーション力を問われるものやフィギュアスケート・コスチューム、ランジェリー、ソシアルドレスなど具体的であったり視聴者を飽きさせない。
 材料選択の時間と費用、制作日数期限があり、技術力、判断力、プレゼンテーション力、斬新性、カリスマ性など、各デザイナーの才能があますところなく発揮される。自らのブランドを立ち上げようとするデザイナーにとっていかに「ファッションを言葉で語る」才能が必要かがわかる。
 こだわりをもって慎重に選ばれたモデルも、デザイナーのイメージどおりに服を見せることに真剣である。
 世界に一つだけの自分の服を作っている最中のデザイナーたちの幸福感と出来上がりの評価に一喜一憂する表情の対比は、身につまされるものがありドキュメンタリーとしても楽しめる。

★AMERICA'S NEXT TOP top model CYCLE ONE ●●●(5つが最高)

アメリカの人気テレビのビデオ化。3つのディスクに9話がつまっている。進行役はタイラ・バンクス。10人のトップモデル志望者が頂点を目指して毎週勝ち抜いてゆく(というか振り落とされてゆく)。
  内容はウォーキングやエクササイズ、演技、海外(パリ)で目的地まで一人で行けるか、様々なシチュエーションの写真撮影で雰囲気をだせているか、等。ヘビとのからみの撮影に耐えられるかなど、トーチャーテストさながらの週もあり、合宿状態に潜入カメラのような撮り方は、番組のもりあがりを作るためプライベートな人間関係までふれている。
 毎週、業界のプロが誰を残すか検討し発表するが、落とされた理由は本人はモデルらしく個性を表現したつもりが、プロからは逆の指摘があったりして面白い。

★GIORGIO ARMANI A MAN FOR ALL SEASONS=アルマーニ   お勧め度●●●●●(5つが最高)

アルマーニ
幼小の頃から映画好きだったアルマーニが、当然編集をチェックしていることを思うと、リハーサルで癇癪を起こしているシーンをカットしなかったのも演出かと思う。ショーの緊迫感とプライベートな開放感をモノローグでつなぐ映像の重ね方が美しい。
 抑えた演出や音楽はアルマーニの服のように計算しつくされたカジュアル感があり、いつのまにか演出されたドキュメンタリーであるこを忘れさせる。孤高なカリスマ性を強調するには、この映画作りはアルマーニにとって楽しかったのであろうか? リラックスしていてもジョークは出ないのが完璧主義者であることを想像させる。

★THE JANICE DICKINSON MODELING AGENCY  お勧め度●●●(5つが最高)

 アメリカン・ネキスト・トップモデルの審査員で印象深かったジャニス・ディキンソンが、自分のモデル事務所を立ち上げ、モデルを募集して奮闘する話。
 ストーリーよりも、一人のスーパーモデルのたくましい生き様として興味がもてる。知性を感じさせない彼女の「見た目のキャラ」を好きになれる人は少ないであろう。しかし、根性で這い上がって成功した彼女の言葉の数々は、同じモデル志望のマイノリティーに対して「もっとがんばってよ」というキツイ励ましの声にも聞こえる。
 このディスクの表紙写真の美しい人が、こういう存在感で今、活躍している。モデルは外見で仕事をするが、やがて内面が外見に現れると信じることができる。

★THE SUPER MODEL/DREAMMAKERS=ザ・スーパーモデル・ドリームメーカー お勧め度●●●●(5つが最高)

ザ・スーパーモデル ドリームメーカー
出演 ナオミ・キャンベル、タチアナ・パティッツ、ステファニー・セイモア、シンディ・クロフォード、クローディア・シファー、エバ・ハーツィゴバ。
 フォトグラファーのパトリック・デマシェリエとジル・ベンシモンの撮影風景が見られる。モデルにとって、カメラマンとの出会いがいかに重要かがわかる。撮影風景が美しく楽しい。世界で活躍したいという夢が膨らむビデオです。

★SUPER MODEL'S CATWALK=スーパーモデルズ・キャットウォーク お勧め度●●●(5つが最高)

07812 0210001.jpg 出演 クリスティ・ターリントン、ケイト・モス、ナオミ・キャンベル。
 ミラノ、パリ、ニューヨークのショーに目まぐるしく出演するスーパーモデル=クリスティ・ターリントンを追ったドキュメンタリーフィルム。ケイト・モスやナオミ・キャンベルも出演。その後の3人の私生活がキャリアにどう影響したかを考えると、息の長いモデルは外見だけでなく中身(精神)も重要と感じる。
 
 ジョン・ガリアーノ、カール・ラガーフェルド、ジョルジョ・アルマーニ、ジャンニ・ベルサーチ、ジャン=ポール・ゴルチェ等のバックステージやフィッティング風景は貴重。「プラダを着た悪魔」のモデルとなるアメリカンVOGUEの編集長、アナ・ウインターも一瞬登場する。

 映像にドラマチックな編集はない。メイキャップされながらのモデルたちの雑談やインタビューから本質を素描する。
 
 仕事がおわり、ホテルに帰り、郵便物を無造作に開け、無言で静かにメイクを落とし始めるクリスティがなんとも美しい。彼女の魅力は‘媚びない・きどらなない・はしゃがない’だ。やがてコレクション出演をキャンセルして大学にすすみ、ヨガを習得し、本を出版。スポーツウエアのデザインを手がけ、化粧品メーカーを創立、さらに透明感のある美しさを増している現在を考えると、彼女こそ、‘スーパー’なモデルであると思う。


★MODELS=モデルズ お勧め度●●(5つが最高)

モデルズ
出演 リンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベル、シンディ・クロフォード、タチアナ・パティッツ、ステファニー・シーモア。歌わない、踊らない、演技もしないが美しいモデルを広告から独立させるとこんなに中途半端なドキュメントになるかという例。 結局、本人たちのインタビューが一番面白い。キャラクターの分析には最適。リンダ=モード・ファッショナブル・エキサイティング。シンディ=ワイルド&セクシー。ステファニー=ナチュラル・イノセント。タチアナ=クール・アバンギャルド。ナオミ=キュート。

★リチャード・アヴェドン:闇と光  お勧め度●●●●●(5つが最高)

0アベドン71006 0040001.jpg 
 1940年代にファッション写真の歴史を変え、以後、ポートレートの新しいスタイルを確立したフォトグラファー、リチャード・アヴェドンのドキュメンタリー。 

 惹句は「写真界の帝王の全貌をとらえた自伝的ドキュメンタリー」。その通り真摯な映像である。アヴェドンが有名人の本質をとらえようと真実の瞬間をもとめたのと同じように、自らをさらけだしている。自分が撮ったモデルへの数年後のインタビューでは、モデルを通して見たいのは自分自身であることがわかる。セルフポートレートスタイルへの矜持が伝わってくる。
 
 何故、アヴェドンが執拗に、人間の顔の‘闇と光’にこだわったのか。
「撮影中は顔の中にある複雑な矛盾する要素を探す。矛盾しながら根強く関係している何かを……」。この言葉のルーツは自らの生い立ち、父との関係にあったのではないかと感じる。

★UNZIPPED=アンジップト お勧め度●●(5つが最高)

アンジップト
和訳は「ジッパーを開けて」。邦題は「裸のスーパーモデル」。リンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベルなどが出演。デザイナ−のアイザック・ミズラヒがコレクションの準備から本番を成功させるまでのドキュメンタリー映画。
 一般人にとっては裏方に見えるデザイナーこそ、ファッション・ショーの主役であることがわかる。苦悩するミズラヒが良い。このライン「アイザック」が現在無いというのも感慨深いものがある。

★THE SUPER MODEL KAREN MULDER=ザ・スーパー・モデル/カレン・マルダー お勧め度●●(5つが最高)

カレン・マルダー
出演 カレン・マルダー。モデルの私生活を見せるという企画では嫌味のない内容。最初は普通の子供だったという家族の話から親近感がわく。来日部分は、日本のせわしさとミーハー気分がアピールされている。世界にこのビデオが出回ったことは遺憾。ファッションモデルよりスーパーモデルという言葉が際立っていた頃の映像。

★PRET A PORTER=プレタポルテ お勧め度●●(5つが最高)

プレタプルテ
パリコレのアメリカ映画。ファッションショーの雰囲気を知るには良い。ストーリーはほとんどない。全体のテイストはフレンチだがプロットはアメリカンコメディ。華やかさを扱いながら、実は、虚飾と喧騒を笑っている。しかし、そういったアンチテーゼの打ち出しかたもファッションの常套手段である。
 有名デザイナーが本名で出演、クレジットにはモデルの名前もある。現在のショーと比べるとランウェイのウォーキングにも流行があることがわかります。

★モデル TV お勧め度●●(5つが最高)

モデルTV チビスナ
シリーズになっている。モデルの様々な仕事の現場にTVカメラを持ち込み取材したクリップ集。これはVOL5。ビデオ作品としてのコンセプトは特にないので現場の活気は焦燥感になる。しかし、編集に意図的な方向性を感じないモデルへのインタビューはかえって率直。新人たちのコメントは、モデルになった興奮が冷め遣らず。黒人男性モデルは、「これからのモデル(という仕事)は、様々なチャンスを手にすることができる」と予言している。

★CLAUDIA SCHIFFER PERFECTLY FIT=クローディア・シファー/パーフェクトリー・フィット お勧め度●●(5つが最高)

クラウディア・シファー パーフェクト・フィット
出演 クローディア・シファー。トレーナーは女性のキャッシー・ケイラー。上半身と下半身の二本立てビデオ。ちなみに、シンディの最新作のワークアウトはこのキャッシーさんが先生。
 ゆっくりと無理のないリズムでワークアウトできる。腕立て伏せで思わず笑ってごまかしているクロ−ディアは、普段はこんなしんどいことしてないわ、と言っているようです。あくまでエレガント。

★CINDY CRAWFORD A NEW DIMENSION=シンディ・クロフォード/ニュー・ディメンション お勧め度●●●(5つが最高)

resize0003.jpg
シンディのワークアウトビデオの第三段。出産後の体型を戻すというのはあくまでシンディのプライベートヒストリーに合わせた宣伝文句。ワークアウトはシンプルでわかりやすく、若い人でもリラックスして取り組める。トレーナーは、女性のキャッシー・ケイラー。映像も美しくシンディは、母になり優しい顔になっている。

★CINDY CRAWFORD THE NEXT CHALLENGE WORKOUT=シンディ・クロフォード/ザ・ネクスト・チャレンジ・ワークアウト お勧め度●●(5つが最高)

シンディ・クロフォード ザ・ネクスト・チャレンジ・ワークアウト
前作のわずか5ヶ月後に発売。またまたシンディとトレーナーのラドゥのエクササイズ。前作より数段わかりやすくテンポも落ち着いて取り組める。シンディが一途に一生懸命やっているのに感心。
そもそも、表舞台で華やかなモデルが体調管理は、レオタード姿でこんなに頑張っているんだ、という裏の姿を見せたことが画期的だった。

★CINDY CRAWFORD SHAPE YOUR BODY WORKOUT=シンディ・クロフォード/シェイプ・ユア・ボディ・ワークアウト お勧め度●●(5つが最高)

シンディ・クロフォード/シィプ・ユア・ボディ・ワークアウト
出演 シンディ・クロフォード。日本人にとってはワークアウトという言葉も新しかった頃のファッション・モデルによる初のエクササイズビデオ。100分間、頑張りまくる。トレーナーは男性のラドゥ。実際にこのスポードでやるとテンポが早く、根性で体を動かしているといった感じがする。