「ファッションの技法」の著者、山田登世子さんの本。プロフィールに「好きなブランドはコムデギャルソン、香水とバッグはシャネル」と一行入っているところに、仏文研究者のセンスを感じる。
この本を要約するとブランドの条件は「伝統があり、信頼できること」である。当たり前のようだが、企業として維持し、発展させるには「伝統と信頼を守りつつ、つねに変化し続けなければならいない」。
「ヴィトンの伝統料つきの値段」「たくさん作らない希少性のエルメス」「偽物を容認したシャネルの先見力」など、三社にしぼった説明だが、充分、汎用性がある。
「モードは現在、ブランドは永遠」という両立不可能なはずのニ要素を、どう、各社が舵取りしているのかがわかる。
商売は繁盛しつつ、ファッショナブルであるバランスの良さが、成功しているブランド
の肝である。この本も、文章は平易であり、奥が深く絶妙なバランスで楽しい。

