著者は、医学博士で、日本情緒工学研究会を発足させた一人。情緒工学とは「人の感情と情操を情緒と称して、情緒の表出としての表情、行動などの生理学的機構をテクノロジーの概念を取り入れて研究する科学」。
「表情は、その発生に意志が関与しているか否かによって、意志によって自由につくれる随意的な表情とつくれない不随意的な表情に大別」される。つまり、美しい表情の出来方を知るには筋肉の動きについて知らなければならない……ということで表情筋を14種類にわけ、表情ができるときに使われる筋電図の実験データによってそれぞれの機能を解説してある。
専門書だが、考察は能面や歌舞伎、演技、美術に及び興味ぶかい。

